解放弦で音がきれいに出せるようになってきたら、
弦を移動する場合のボーイングの練習に移ります。
本項では特に弦を移動する際の弓の動かし方とその練習に焦点を当てます。
弦の移動についての解説
チェロの駒はアーチ状になっており、アーチ状になっている各部に弦を張る構造になっています。

右手の動かし方でいうと弓を弾く右手の位置を手前/奥方向に移動して弾くような形に移動します。
#1 ボーイング(解放弦)で各解放弦を弾く際のフォーム、右手の位置が体にある程度しみついていれば、弦の移動=各弦を弾く位置に右手を移動させるイメージで練習できます。
練習の手順
- まず、弦の移動のイメージをつけます。
メトロノームは使わずに、楽譜通りの順番に音を出していきましょう。
最初は弦を移動する箇所は音が止まってもよいので、弾きだしからきれいな音で演奏できる
ようにフォームを確認しながら練習しましょう。 - メトロノームを使って音のなりはじめ
(メトロノームの1、5、9回目の各音)と弾き始めが一致するように練習していきます。
この段階では、各音の弾き終わりは楽譜通りでなくても大丈夫です。 - 音のなりはじめを合わせられるようになってきたら、
楽譜通りに弾けるように少しずつ練習していきましょう。
練習時の注意点
#1 ボーイング(解放弦)
では、正しい姿勢で音を出すこと、きれいな音を出すことを意識して練習していきますが、
弦の移動を挟む場合でもそこは変わりません。
ただし、以下の点を注意して練習をするようにしましょう。
- 弦の移動が入る、かつ、メトロノームの音にあわせて急いで移動する練習を繰り返していると、
少しずつフォームが崩れたり、弦と弓の当たる位置がずれたりしていきます。
適宜、鏡を見る、他の人に見てもらう、動画をとる等の方法で確認しながら進めていきましょう。
本項に入りはじめのころは#1 ボーイング(解放弦)と並行して練習するのが良いかもしれません。
- アップボウ→ダウンボウ、ダウンボウ→アップボウへの入れ替えや弦の移動のタイミングで、
リズムが狂いやすいです。
メトロノームの音と弾き始めが一致しているか意識しながら練習をしていきましょう。 - 本項の内容では、弓の移動を終えてから弦の移動をして、
弦の移動を終えてから次の音をひき始めるようにしましょう。
あくまでも本項の目標は正しいフォーム、きれいな音で弦の移動ができるようになることです。
しっかりと基礎固めをしていきましょう。 - 弦を移動すると、弓のどの部分が弦に触れているかの位置関係も変化します。
弓を弾く速度にも影響するので注意しましょう。
最後に
ボーイング、弦の移動はチェロの今後の練習の基本になってきます。
次項以降でさらに早い移動等が求められる場合もあります。
正しいフォームを体に覚えこませるつもりで練習しましょう。
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