本稿ではスラーの練習をしつつ、2弦の移動についても練習をしていきます。
また、演奏する楽譜の長さも少し長めにしています。
演奏しながら楽譜も気にする癖と余裕を身につけていきましょう。
練習の手順

本稿の楽譜の特徴として以下が挙げられます。
- 楽譜の前半の2段は高音の弦に、後半の2段は低音の弦に移動するスラーになっている。
- スラーこそついていないものの、ラ→ソ、ド→レと弦を2本移動する必要がある箇所が
複数ある。
そのため、本稿の楽譜はスラーの練習+2弦の移動ができないと弾けません。
本稿では2弦の移動に絞って特に解説します。
スラーの練習については前回の記事を参考にしていただければ幸いです。
とはいえ、2弦の移動は1弦の移動の場合と、練習方法自体は同じです。
2弦の移動は特に遅れがちなので、スムーズに移動できるようになるまで繰り返し練習しましょう。
- まず、弦の移動のイメージをつけます。
メトロノームは使わずに、楽譜通りの順番に音を出していきましょう。
最初は弦を移動する箇所は音が止まってもよいので、弾きだしからきれいな音で演奏できる
ようにフォームを確認しながら練習しましょう。 - メトロノームを使って音のなりはじめ
(メトロノームの1、5、9回目の各音)と弾き始めが一致するように練習していきます。
この段階では、各音の弾き終わりは楽譜通りでなくても大丈夫です。 - 音のなりはじめを合わせられるようになってきたら、
楽譜通りに弾けるように少しずつ練習していきましょう。
練習時の注意点
- チェロを弾く際、
A線(ラ)、D線(レ)を弾く場合は弓を持つ手にほぼ力を入れないでも弾けて、
G線(ソ)、C線(ド)を弾く場合は、多少力を入れないときちんとした音が鳴らないです。
2弦の移動では、移動前の弦と移動後の弦を同じ力加減で弾くとうまく弾けない場合が多いです。
移動後の弦にあわせて、力加減も調整しましょう。
特に、A線、D線に移動する場合、急いで移動すると力が入りすぎたまま、弾き始めてしまいます。
注意しましょう。 - 長い楽譜を弾いていると、弓を返す際、スラーのタイミング等で発生したわずかな遅れが積み重なって、後半、気づいたら遅れてきてしまう場合があります。
音が変化するタイミング(なりはじめ)がメトロノームとあっているか気にしながら練習していきましょう。
最後に
本稿までの内容を正確に弾けるようになると、残りのボーイング練習は、
正確さやリズム感を高める内容が続きます。
きっちりマスターして、次回に進みましょう。
コメント